明日は娘の七五三です。
妻に任せっきりなのに、前日になると自分が着るものが定まらず突然不安になり
主役は自分じゃないのに中々筆がいやタイプが進みません。
今日来てくれたお客さんと喋っている時間は忘れることが出来ました。
とりあえず朝にカメラさんが家に来てくれるんだっけ。
僕の服も選んでもらおうかしら。
今日もニットをご紹介します。
そうそうこんなのでいいんだよ〜という要素が一つもない
鉄は熱い内に打て、って
Slopeslowの手編みシリーズのロピーセーター。
物で飽和する世の中。
ニット製品も例外ではありません。
需要に応えていく事と、作りたい物のジレンマに一度は業界を離れる事も考えたそうです。
いいと思った素材に共感が得られなかったり、既存の洋服のリバイバル。
確かにいいと思った素材やいいと思ったデザインが売れるとは限りません。
売れるものを作り販売するというサイクルは当然です。
しかし洋服人として職人としてはそれは楽しい内容ではありません。
共感は得られなかったけどいいんだよなあと思う素材、売れるかどうかはわからないけれど
かっこいいんだと思うんだよなあというデザイン。
誰も目を向けなかった隙間に一石を投じるロックな精神からブランドは始まります。
最初に着手した手編みシリーズは、ブランドの本質でありお二人の実現したかった物です。
今回のロピーセーターは、今シーズンにおいてお二人の理想を具現化した物だと感じました。
シャツ FRANK LEDER/パンツ FRANK LEDER
北欧の伝統的なロピセーターは、ギザギザ柄に編み上げられる所謂ノルディックセーターです。
手編みならではの優しい風合いや立体感。
Slopeslowらしい肉厚で重厚な存在感です。
素材はシェットランドウールとヤクウール。
製品洗いを施し、シェットのコシとヤクの素朴さが際立ち、素材の風合いが活かされています。
ラインナップとしては被りのタイプもありましたが、ボリュームのあるノルディックセーターは
アウターが最適と感じ、3CMAではジャケット型をセレクトしました。
どこか懐かしさを感じるノルディック柄。
自然と土っぽいものを選んでしまいます。
全くもって今っぽくないけれど、ほっとした気分です。
手編みで柄物を製作するとなると、ニッターさんの裁量が反映されます。
イメージされた図柄があったとしても、一点一点にムラが出ます。
今は手編みっぽく仕上げる機械もあるみたいですが、人の手によるムラまでは真似できないでしょう。
編んでいく過程は臨機応変に。
見届けていく側にとって、自分が着る物でなくても一着一着に愛着が湧きます。
オリジナルの柄物となるとその擦り合わせも大変だったでしょう。
度詰めとはまた違った苦労です。
ニッターさんよくこの仕事受けましたね。
パンツ EESETT&Co
肩接ぎや袖付けのない求心編み。
前から横、後ろへ柄がぐるり。
丸っこい形になります。
丸っこい形は緩いパンツにも落ち着きます。
イージーウエストや裾がリブのものだったり、
ちょっとコンビニ行ってくるわ〜な感じなスタイルにも良さそうだし、そんな感覚で扱ってもらいたい。
肩がぷくっとなっていますが、ニットなので最終的にはレザージャケットのように自分の形になってくれるはず。
厚みのあるボリュームと保温力なのでアウターとしてきても良さそうです。
それこそちょっとコンビニ行ってくるわ〜な感じなスタイ...
柄を切らさない継ぎ目の無い求心状編み。
裏を見ても表が想像できません。
柄出しって大変なんですね...
革のジッププルも、お二人による自作だそうです。
Slopeslow
Lopi Sweater Zip Jacket
Khaki
シェットランドウール 57%*ヤクウール 43%
¥176,000-
ニットお化けがプロデュースするSlopeslowの特に手編みシリーズはとてつもない。
とてつもない労力ととてつもない時間が要り、そしてとてつもない愛が込められている。
簡略的にできる事を、わざわざ手間をかけるのがSlopeslowです。
そのわざわざに惚れてしまったのです。
ニッターさんにも無理を言いながら、わざわざ手間をかけて出来上がったセーターは、大切に長く着たいと思えるのが自然でしょう。
糸の選定・使い方、柄出し、たくさんのとてつもないが詰まった今回のロピーセーター。
最もそのらしさ・そのとてつもなさを味わっていただけるはずです。
タイトルが思いつきませんが、それまでカメラさんに相談できないし
明日の朝まで待てないので今日は帰ります。
娘の着物、楽しみです。
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Slopeslow/スロープスロウ
時を超えて愛用され続けるワークウェアのように、経年変化を経ても、長く愛用される、タフで上質、オーセンティックなニットウェア。
多くのワークウェアがそうであるように、容姿や性別にはこだわらず、それぞれの好みに合わせて、自由にサイズやスタイルを選択。
シェフが一皿の料理を創作するように、思い描くイメージに合わせて、糸を作ることから、形にし、仕上げ方に至るまで、手間を惜しまず、最善の選択を積み重ねる。
それが、わたしたちが何よりも大切にしていること。
時を経ても、末長く愛用される一着でありますように。