EESETT&Coのアトリエシャツです。
2種の生地で構成されたそのシャツは、アトリエシャツと名付けられ、"バイオリン職人のシャツ"という架空のストーリーを持っています。
そう言われてみると、エプロンを掛けている様にも見えるフロントスタイル。
そう言われて見てみたから、そう感じられたのだけれど。
デザイナーの中澤さんはあまり多くを話さない方です。
初見なデザインばかりであるのに、ぼくが商品を見ている時のあの表情は「感じ取ってね〜」と言わんばかりである。
だからなるべく自分からは聞かないようにしている。
様々な仕掛けを見つけるのも楽しみの一つです。
"ウォーリーをさがせ!"は、横から指を指されるより自分で見つけた時の方が嬉しい。
注視して仕掛けを探してみる。
最初に目を引くストライプとギンガムチェックのコンビネーションは、単の貼り合わせではなく独特なカッティングにての構成です。
胸のポケット・腰のポケット内側・ヨーク・エルボーもカッティング。
上3つの縫い付け釦からスナップ釦に切り替わり、テーラー型のジャケットを羽織った時には、スナップ釦が隠れる間隔での配置。
カフスは折り返して留められるようになっているので、シングルカフスは上物の袖口からチェックが覗き見え、折り返すと今度はストライプが見えるダブルカフスになります。
柄も見せたいし、忍ばせてもいいし、シャツジャケットにしてもいいですねえ。
こんなにもエッジが効いていて複雑なパターンで構築されているのに、細部まで丁寧に作られている。
ビスポークテーラーの経歴を持つ中澤さんならではの所業です。
そんな知識と技術が盛り込まれたものを一目で理解するのは難しいけれど、ウォーリーを探す時のように離して見てみたり近づいて見てみたりするようにして、あんな着方やこんな着方を試して気づいていきたい。
ぼくの「感じ取ってね〜」は無責任なので、お手上げの時は教えてもらうのだけれど、やっぱり自分で見つけた時の方が嬉しい。
あと何人残っている?
取りこぼしはないか?
いつまでも楽しめそうな気がします。
不思議と、コンプリートしていないのにもっと難しいのに挑戦したくなります。
EESETT&Co
Atelier Shirt (Schnieder)
Blue Stripe*Check
¥46,200-
EESETT&Co/イイセット
宮内庁御用達の上原洋服店にて6年、イギリスはサヴィルロウ老舗のDenman&Goddardにて3年、ビスポークでテーラーリングとカッティングを修行。
数々のブランド内部にてデザインやパターンニングを担当した中澤氏が展開する自身のブランド。
時を経ても色褪せる事のない趣のある服
“孫息子がやがて祖父の服を着られるように”