たくさん書いていたけど消えてしまって放置してしまっていたので、今日は頑張ります。
終わるまで帰りません。
Slopeslowのカウチンセーターです。
最近の昼食はほとんどうどんです。
お店付近に美味しいうどん屋さんが数件あるので、それを順番に、日曜日はマクドなので、1週間が7日では他のお店に行くには充分ではありません。
少し遠くのうどん屋さんにも行けるように自転車を買おうか迷っています。
ローテーションの中でもよく行くチェーン店は、人気牛丼チェーン店のキャッチコピー「美味い、早い、安い」の早いと安いが特出しています。
5の付く日はきつねうどんが220円になるし、並んで注文して受け取って支払ってすぐ食べてすぐ出られます。
お店の目の前には、普段吸っていて販売していない店舗もよくあるタバコを取り扱いしているコンビニのオプション付き。
きつねうどん220円の時だけ行くと5日君というあだ名にされそうなので、仕方なしに他の日も行くと自然とその割合は増えてしまいます。
確かに、忙しい間に済ます昼食に安い早いはとても魅力的です。
しかし、やはり美味いを後手にしてしまうと、いくらお腹いっぱい食べても満足度は決して高くありません。
そして、美味いが早いと安いを圧倒的に凌駕した時、その二つなんてどうでもよかったくらいに得られる感動は大きいです。
22AWにスタートした Slopeslow。
美味いに特出したニットブランドです。
僕たちはニットウェアを知っているようで知らない。
様々な質感・サイズ感・価格帯、溢れるようにあるニットウェア。
インポートやメゾンのOEM、ファストファッションのものまで散々に着てきたつもりであったけれど、知った気になっていて知らない。
量産の安価なものは、そもそも広く行き渡る事が旨であり、それも回転を前提としているので参考になりませんが、それ以外のものは、ニットウェアが背負うアドバンテージ "デリケートな印象" の為に、着崩れや毛玉を恐れ消化しきれぬままである。
さて綺麗な状態のままである事が、作り手が望んでいた事であろうか。
僕たちが知らないのがニットの果て。
捨て時がわからないデニムパンツ。
色褪せ・裾はボロボロ・ステッチは飛び飛び・スレキは穴だらけ・生地もペラペラになっていて、作業用パンツとして想定された限度をゆうに越しているのにその状態が心地よく好まれてさえいる。
一方でニットはその状態まで行きつかない。
その状態まで耐えられるものも少なく、そこに行き着くまでに諦められることの方が多い。
物が持つポテンシャルを引き出せずじまい。
ニットの果てを知らない。
手編みのカウチンセーター。
素材はコットン・和紙・ウール。
春夏のセーターとは思えないくらいの肉厚。
吊っていても垂れず形が崩れないくらい目が詰まっています。
ラグを触っているみたいです。
重量感はあれど着用時に重さを感じないのは、コットンの柔らかさだったり、軽量の和紙、キックバックの強いウールの配合が絶妙だからだと思います。
和紙特有のドライな質感。
膨らみのあるコットンと強撚のウールをブレンド。
春物とはいえ、ずっしりと、カウチンらしい重厚感があり、写真を見返してみても立体的で存在感があります。
単色に見えるけれど、よく見ると何色もの色の糸が撚り混じっていて、更に製品染により、より奥行きが出ています。
手編みによる素晴らしきはムラ。
同じ製法で制作しても、人によって加減が違います。
技術が進化して手編みで表せなかった手法も、今では機械で表現できるようになったそうです。
それでしも人それぞれの癖まではインプットできません。
Slopeslowが掲げるコンセプトは"Utility Knitwear"。
実用的で多用途であるという事。
日常に溶け込み、ワードローブとして扱える物。
捨て時がわからないデニムパンツのように、長く愛用できる物。
ニットウェアが背負うアドバンテージ を気にせず、気兼ねなく着られて洗濯して、着崩れや毛玉を恐れず消化できる物。
長く愛用している物は、何度でも修繕してでも着続けたいです。
人の手で編まれたものは編み直しが出来ます。
壊れたものを元に戻すことはできないけれど、金継ぎの器のように修繕してより美しくする事も出来ます。
虫食いや引っ掛け穴は残念だけれど、何度も修繕してそれもその物の持つ味として捉えてやれば、愛着もより一層です。
裏返してみても始末はとても綺麗です。
ひっくり返っていたら気づかずそのまま着てしまいそうですね。
ハンガーに吊っていても着崩れなく垂れていません。
誰かが着ているみたいですね。
実用的が叶うようデザインはあくまでもオーセンティック。
デザインが凝ったものでも、古着でも、何でもいいです。
今着ている服に着てください。
何でも受け止めてくれると思います。
ブランドのルックはとてもかっこいいです。
このカウチンセーターが出来上がるまでの労力は、計り知れるものではありません。
糸の選定、生地の開発、試作とテスト、デザイナーの無理な要求に応えるニッターさん。
わざわざ度詰めに、わざわざ肉厚に。
ニッターさんが腱鞘炎になる程だそうです。
コストパフォーマンスが良いとは決して言えない、美味いに特出したこのカウチンセーター。
Slopeslow、ニットの果てを教えてくそうです。
経験した事がないコース料理。
その味もサービスも、味わってみない事にはわからないですし、味わってみたくなるのは人間の性ですねえ。
早くもないし安くもないけれど、一度手にしてしまえばいつでも特別です。
ブランド1stコレクションで登場したカウチンセーター。
1stコレクションには、デザイナーが一番実現したかったアイデアやデザインが反映されていると思います。
その1stモデルを春夏仕様にしたカウチンセーター。
春にカウチン?と思ったけど、どうしても作りたかったんだろうなあ。
Slopeslow
Cotton / Paper / Wool Hand Knitting
Cowichan Sweater
Camel
¥154,000-
Slopeslow/スロープスロウ
時を超えて愛用され続けるワークウェアのように、経年変化を経ても、長く愛用される、タフで上質、オーセンティックなニットウェア。
多くのワークウェアがそうであるように、容姿や性別にはこだわらず、それぞれの好みに合わせて、自由にサイズやスタイルを選択。
シェフが一皿の料理を創作するように、思い描くイメージに合わせて、糸を作ることから、形にし、仕上げ方に至るまで、手間を惜しまず、最善の選択を積み重ねる。
それが、わたしたちが何よりも大切にしていること。
時を経ても、末長く愛用される一着でありますように。