天心よりもスタローンです

昨日EESETT&Coの共生地の上下をご紹介しましたので、今日も別の生地の上下をご紹介します。

スポーツジャケットとスポーツカーゴパンツです。

僕はいなたい感じが好きです。
FRANK LEDERから感じるローカル感だったり山内の整っているけどパキパキし過ぎていない感じだったり。
土臭さの奥に垣間見えるブランドのエネルギッシュな個性が好きです。
前衛的なクリエーションではあるけれど、どこか素朴なムードを持ち合わせているところがEESETT&Coの好きな部分でもあります。
ポップよりもブルース、デジタルよりアナログ、天心よりもスタローンです。

フリース生地のジャケットとパンツ。
品番名のWinchesterとLowdenは、イギリスのサイクロードのスタート地点とゴール地点の地名だそう。
仮想サイクリングスタイルのスポーツテイストです。
スタローンがロッキーの作中でトレーニング等で着用していたのは、最新のファブリックのウェアやスニーカーではなく、肉厚のスウェットとローテクスニーカーでした。
そういう鈍臭いのに惹かれます。
今回のジャケットとパンツも全体的にダボっとしたシルエットだったり裾リブだったり、そんなムードをとても感じたのです。

とは言っても2023年、フリースにはPOLARTEC社のWind Proを採用。
本格的なアウトドアメーカーも採用するフリース素材。
毛足が短くソフトタッチですが、防寒性と撥水性に優れます。
自転車にピッタリそうな生地ですね。

ジャケットは3つボタンのテーラード型。
フロントはボタンとダブルジップの二段構え。
トップまで留めると、フードはないけどシェルみたい。
スポーツですからね。

ジャケットだからってジャケットらしく着る必要はない。
ジャケットらしく着て失敗することはないだろうから、色々チャレンジしてみて欲しいです。
分量があれば中にあれこれ着込めるし、寒くなれば何は被せればいい。
それが本来のシェルの役割だし、フリースの役割でもあります。
解釈次第で色んな顔を見せてくれます。

パンツは6ポケットのカーゴパンツ。
ウエストドローコード、裾はリブ、フリース。
スポーツパンツかミリタリーパンツかイージーパンツか。
正解はなんだっていい。
スポーツに、ユーティリティーに、リラックスに、履きたい時に履けるパンツです。

それがなんだったかとか、求める事はきっとそうじゃない。
多種多食なもの程持つ可能性は大きいです。
着たい時に着て、履きたい時に履く。
正解はそれぞれ、自ずと見えてくるはずです。

EESETT&Co/イイセット
宮内庁御用達の上原洋服店にて6年、イギリスはサヴィルロウ老舗のDenman&Goddardにて3年、ビスポークでテーラーリングとカッティングを修行。

数々のブランド内部にてデザインやパターンニングを担当した中澤氏が展開する自身のブランド。

時を経ても色褪せる事のない趣のある服
“孫息子がやがて祖父の服を着られるように”