EESETT&CoのMonk Shoes(Shane Ⅱ)です。

EESETT&Coから革靴の入荷です。
以前ご紹介させて頂きましたThe Old Curiosity ShopとのコラボレーションアイテムのHog Toe Shoesは受注生産のみでしたが、このMonk Shoesはインラインでのリリース。
今回は店頭販売しております。
EESETT&Coからのインラインでの革靴のリリースは今回で2作目、前作から6年ぶりとなる新作です。





概要は日本のデザイナーズブランドQuilpがイギリスの老舗シューズメーカーTricker'sに作成依頼しているシューズラインQuilp by Tricker'sにEESETT&Coが別注依頼をしたもの。
ファーストモデルもこのQuilp by Tricker's。
それはスエードレザーを使用したモデルで、自分もよく履いています。
着用時に店頭でもよく聞かれるし、6年経った今でもお問い合わせを頂く事もあるくらいですから、これはお客さんにとっても待望のセカンドモデルなんじゃないかと思います。
Quilp by Tricker'sは、伝説的なシューズデザイナーであるジョンムーア氏が残した木型を元に、ジョンムーア氏の意思を受け継いだThe Old Curiosity Shopの木村氏の協力を得て、特別な木型を使用し、Tricker's社にて精製されます。
特徴は通常のTricker'sには存在しない丸みを帯びたトゥラインです。
カントリーブーツで栄えたTricker'sのトゥはシェイプを抑えたラウンドトゥですが、Quilp by Tricker'sはそれよりもより丸みが主張するトゥシルエットとなっています。
Tricker'sは、靴の聖地ノーザンプトンにて1829年創業。
厳選された素材と職人技を駆使し伝統を守り続ける英国老舗のシューメーカー。
その製品クオリティーから、ロイヤルワラント(英国王室御用達)が授けられています。
復刻・素材や色やソールの種類などをカスタムした別注品は数あれど、創業から約200年と歴史あるブランドに木型の開発から製作する事は稀です。
革新的なデザインを伝統的な技術で製作されるこのシューズラインは唯一無二と言えます。
と、前置きが長くなってしまいましたが、それ程にこの靴はEESETT&CoとQuilpとThe Old Curiosity Shop、The Old Curiosity ShopとTricker'sの関係性がなければ実現しない特別なものです。

さて、EESETT&CoのMonk Shoes(Shane Ⅱ)
正確には、EESETT&Co*QUILP*The Old Curiosity Shop*Tricker'sのMens Black Box Calf Monk Shoes。
デザインはプレーントゥのダービーシューズにベルトを装着させ、シングルモンクシューズを表現しています。
アッパーにはボックスカーフレザーを使用、ソールはダブルレザーソール。
アッパーレザー・アウトソール・ハトメの外見は黒色に統一し、ウェルトには白色のコバステッチ。
ベルトのバックルは、ジュエリーブランドENDに特注したEESETT&Coオリジナルバックル。
スエードレザーを使用したファーストモデルがShane、今回は表革を使用し仕様を変更したShane Ⅱです。


この靴の最大の特徴はベルトを加えたデザインです。
通常のモンクシューズには甲の羽根がなく、ストラップのみで開閉します。
Shane Ⅱには、ダービーシューズだとすればストラップが・モンクシューズだとすれば羽根が、各々本来ないものが装飾として付け加えられています。
この飾りは縁起を担ぐ物でも機能性を向上させる物でもありません。
ある一定の場に相応しい物でもない、なくても困らないただ飾り。
意味なんてない。
しかしこの飾りはこの靴をちゃんと格好良く見せているし、履いた自分に自信を持たせてくれます。
ファッションにおいては、本質的な部分で1番大事な意味を持っている、そういうなくてはならない飾り。
最近は「お店の意味」をよく考えます。
わざわざお店に足を運んでくださるお客様がいて、オンラインショップを利用してくださるお客様がいて、お問い合わせしてくださるお客様がいて。
ウチじゃなくてもいいのにウチを選んでくれる意味。
自分は「じゃないといけない意味」になりたいと思いました。
折角選んでくれた客様にはワクワクしてもらいたい。
3CMAではどこででも手に入るものじゃないものを並べるようにしていきたい。
どこででも手に入るものは大きいところに任せて。
そういうのは「自分のお店の意味」ではない気がします。


なんのことやら、ともかく、この靴にはベルトもしくは羽根という飾りがつく。
実用面では意味のないもの。
歩きやすくなるわけでもなんでもない。
Tricker's社もびっくりしているでしょう。
どっちかでよくない?って。
COMME des GARCONSでもそんな事言ってこないよ?って。
それでもこの靴には飾りがつく。
わざわざENDに特注までして製作してもらったオリジナルバックルをつけたベルト、通されることのない紐を待ち続けるハトメを持つ羽根。
意味なんてないように見えるけれど、そうじゃなければ他と変わらないダービーシューズであり他と変わらないモンクシューズになる。
そうじゃなければEESETT&Coのモンクシューズにはならない。
それが意味なんじゃないかと思います。


ちなみに、この靴は紐無しで履く事を想定されていますが、元はダービーシューズにベルトが付いた物なので形式上紐が付いています、それも黒色と白色の2色の2組。
いつも通り紐を通すと結び目がベルトに干渉してしまうので、逆に通して下で結び目を作ってみるのも面白い。
元々なくてもいい物なので色々遊んでみてください。



ぽてっとしたフォルムのトゥ。
可愛い。
可愛いけど下地はTricker'sなので質実剛健なムードもあります。
ギャルが通常のTricker'sを見て可愛い〜と言う事はないだろうけど、これにはきっと言ってくれるでしょう。
可愛いとかっこいいのミクスチャー、Quilp by Triricker'sのバランスです。
履きこんで履き皺が入ると甲部分が沈んで丸っこいトゥがぐにゃっと。
よりぽてっとが強調され、アンティークなムードと言いますか、古着屋に並んでそうなフォルムになっていきます。



統一された黒に浮かぶホワイトステッチもいいアクセント、EESETT&Coのセンスです。
はじめパキッとした白も履いていれば少し汚れてきて、色入れをする時にそれが少しついたりで落ち着いてきます。
グッドイヤー製法にダブルレザーソール。
余剰のあるコバと厚みのあるソールは、丸みのあるフォルムにマッチしています。
レザーソールのチョイスは中澤さんらしい。
ゴツゴツした作りなのに対し、シックに仕上げる事によってドレススタイルの足元にも充分。
見方によってはドクターマーチンの3ホール、ウエスコのエンジニアブーツ。
時にはチョークストライプのスラックスに、時にはピタピタのスキニーに、時にはボロボロのジーパン・チノパン・軍パンに。
テーラード・モッズ・ストリート、UKカルチャーは感じさせながらもジャンルは限定せず様々なスタイルに楽しんで欲しいです。



ダブルレザーソールの快適さはこの前のHog Toe Shoesで体感済み。
1番感動したのは通常のシングルのレザーソールに比べると地面感がない事。
薄い革底だと砂利だったりアスファルトのブツブツだったり地面を足裏が感じることが多いですが、このソールがそれがほとんどないです。
厚みがあるので履きこむとぐっと沈み込んで足馴染みがいい気がします。
レザーソール特有の反りのよさがあり蒸れにくい。
あのコツコツいう足音もいいですよね、「革靴履いてる」という感覚はいい気分です。

最後に、使用されているレザーはクロム鞣しが施された肉厚で硬度のあるボックスカーフです。
cornelian taurusの革製品を扱っている事もありここ数年はベジタブルタンニングの透明感のある革に触れる事が多いですが、この芯のある光沢感も改めていいなと思いました。
しなやかで高級な革だと言っても最初は硬いです。
足入れした瞬間から抜群な履き心地ではないので、長い付き合いになる靴ですから、ゆっくりと馴染ませてください。
お手入れは気が向いたらで。
定期的に保湿さえしていればダメになる事はないかと思うので、綺麗に見せたい時はピカピカにして、
レザーソールなので雨天時はお勧めはしませんが、あとは積極的に履いていただきたいです。
ワークブーツのごとく履いてもピカピカに綺麗にして履いても、どちらでも格好のいい靴です。
サイズ感は案外いつも通りで問題ないです。
ワイズと先は広く指のあたりは遊びがあるので、基本は縦で合わすかたちになります。
注意点としては、横には余剰があるから割といつもより小さめでも大丈夫、じゃない事です。
反ってくると少し先が短くなったように感じます。
縦をビタジャストで合わすと後々つま先があたります。
自分が別のQuilp by Tricker'sでそれをやって失敗しているので、2足。
1足目はそれで失敗して、2足目は新品履いた時にやっぱりいけるんじゃねと思ってやっぱり失敗しています。
ご参考までに、僕は普段27cm、US9、オリジナルTricker'sはUK7h、この靴はUK7h(成功)です。

と、説明が長くなってしまいましたが、この靴は単純にかっこいい靴です。
背景やスペックは肉付け。
そうだからそうなっているわけでもありますが、EESETT&Coというデザイナーズブランドが企画している作品なので、まずはかっこいいかどうか、好きかどうか。
ファッションにおいて1番大事なところを楽しんで欲しいです。
デザイン画がありパターンを引いて裁断・縫製するスーツのように構築的。
非常識な実用性に無関係の装飾。
テーラリングでありパンクスでもある。
とてもEESETT&Coらしい作品です。
オンラインストアへも掲載しました。
どうぞご検討ください。
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